日蓮宗 鳴滝山龍泉寺

開創100年
山口県下関市豊浦町黒井

境内紹介

鳴滝山龍泉寺は嵯峨天皇の祈願所という鳴る滝を有し、千数百年もの昔より仏道修行の霊場として崇められております。
この鳴る滝のそばに龍泉寺開基大乗院日孝上人は昭和4年3月小屋を建てました。そして、雨露を凌ぎつつ信仰をあたためられし所に当時黒井村に四、五人の信者ができ、またその徳を慕って遠近より信者が集まり、朝夕妙法を読誦されたのが始めであります。
後に本堂、庫裡、龍王堂、水行場などが建てられ、日蓮聖人像をはじめ八大龍王像二体、鬼子母神像、不動明王像が祀られています。

日蓮聖人ご尊像

漆黒の寄木造の尊像で、昭和初期の京仏師の作成です。目は玉眼で、頭部を前と後ろに断ち、面部を深く刳り抜き、内側から水晶(裏から墨で黒目を書く)をはめ込み、更に白紙をあてて木片で押さえ、釘留めする。寄木造は11世紀には一定の法則が完成した。この寄木造の考案は、わが国彫刻史上画期的な事であった。
顔も手も衣も全身漆黒で、目だけが白く私共の心の奥まで見抜いて射るようです。この漆黒は鬼魔を退散し、祟りを鎮めると言われています。京都の妙顕寺に黒体日蓮聖人像が伝えられています。

大曼荼羅御本尊

普通ご本尊は、長方形で紙か板に画かれておりますが、当山のご本尊は昇る朝日の形をしています。日蓮聖人は千葉の旭日ヶ森で昇る朝日に向かってお題目を唱えられました。東海の水平線より昇る日輪の光は永遠に輝くように、法華経のご本尊は、永遠に私共を照らし、導き救済します。二世 日勝上人の真筆です。

鳴る滝

鳴滝山龍泉寺は嵯峨天皇の祈願所という鳴る滝を有し、千数百年もの昔より仏道修行の霊場として崇められております。
龍泉寺開基大乗院日孝上人は「鳴滝山は有名な瀑布あり。山紫水明にして眺望も又、絶佳であり精神修養の道場に最も適当なる霊地である。鳴る滝は日蓮宗の霊蹟地になる。」と宣言され、ここに龍泉寺を建立しました。今日では一年中極寒の冬でも水行が行うことができます。

鬼子母尊神

古くから法華経の守護神として崇められ、特に子供や母親の守り神として祀られております。当山の鬼子母神様は、豊北町の山村に祀られていたが縁があり、当山にお迎えしました。

清正公大神祇

加藤清正は秀吉の家臣であったが、熱烈な法華信仰と仁政により清正公大神祇として崇められ、庶民の法華信仰の対象となりました。当山には戦前、戦の神様として迎えられました。

水子地蔵尊

昭和40年代、テレビや雑誌で水子の祟りと恐れを、盛んに言っておりました。五世 日輝上人は、これでは水子か本当に可哀そうだと思いつき、誰でも宗派に関係なく、水子の供養を申し出れば気軽に受付、永代供養を始めました。この地蔵は熊本の石屋さんが、熊本の白川の土手にある古い地蔵さんを複製してくれました。

鳴る滝の不動明王像

不動明王は大火焔で穢れを焼き尽くす火、愛染明王は滝の水、この水・火が一対となり本来の力が発揮されるのです。

地蔵菩薩

古いお地蔵さんは頭を失っておりました。幕末から明治初期にかけての廃仏毀釈で被害を受けたと聞いておりました。五世日輝上人がコツコツと鏨で彫り上げました。